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ロリポップ!
読み聞かせ、寝かしつけ、おやすみ用絵本
おやすみ前の時間に読めるような、優しいおはなしです。
読み聞かせしやすいように、お話は ” 漢字 ” 表記にしてあります。
また、お子様ひとりでも読める用の ” 全ひらがな “ 表記も別ページにご用意しておりますので、ご利用下さい。
【シカケテガミ】
月夜のシュークリーム
月夜に浮かぶ シュークリーム
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今夜は、良いシュークリームが出ています。
くまのくーさんは、窓の外を見て 一人つぶやきました。
「今夜は、久しぶりにシュークリームを取りに行こう。」
ぽふっ トロ〜 トペッ
準備
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くまのくーさんは、慣れた手つきで気球の準備を始めます。
と、と、と、と
くまのくーさんは、物置に続く階段を降りていきます。
くまのくーさんは、口元に手を当てながら部屋の中を一通り見まわしました。
「大きなバーナーを2つと、砂袋をいくつか。
太くて長いロープが1本。
小さなランプを1つと、風除けのラグが1枚。」
くまのくーさんは、両手いっぱいに荷物をかかえると、ガサゴソと音をたてながら庭の一番広い場所へ運んでいきます。
と、と、と、と
今度はキッチンに戻って、この家で一番大きなスプーンを1本とフタ付きの大きなビンを3つ。
カチャカチャと音をたてながら、また庭へ運んでいきます。
さあ、出発
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くまのくーさんは、庭に生えていた草を太い指でつまみ、ポイッと空中に放り投げました。
すると放たれた草は、はらはらと くまのくーさんの足元へ落ちました。
「よし。風も無いな。
絶好の気球日和だ。」
くまのくーさんは、持ち物をひとつひとつ確認しながら、乗り込むバスケットへと運び入れていきます。
バーナーに火をつけます。
ボー、ボー、ボー
バーナーの火は、初めは小さく、そして少しずつ大きくしていきます。
ゆっくり、ゆっくりと、気球が膨らんでいきます。
完全に膨らむと、バスケットが ぽふっと音をたてて地面から離れました。
気球は ふわっと軽くなり、ゆっくりと空へのぼっていきます。
だんだんと くまのくーさんの家が小さくなっていきます。
シュークリームは、まだずっと上の方に浮かんでいます。
「もう少し時間がかかるな。」
くまのくーさんは、そうつぶやくとポケットに入っていた飴玉をひとつ ポイッと口へ放り込みました。
見えてきた! 見えてきた!
やがて、遠くに見えていたシュークリームが大きくなり、くまのくーさんの手にすぐ届くくらいの所までたどり着きました。
くまのくーさんは、近くにあった適当な雲を捕まえてきて そこに気球を結び付けました。
シュークリームを取っている間、気球が流されないようにする為です。
上陸!
くまのくーさんは、一番大きなシュークリームに上陸しました。
「まずは、一口 味見・・・」
と、小さく ちぎって ペロリと舐めてみました。
「うん、いい味だ。」
くまのくーさんは満足げに微笑んでから、大きなスプーンを持ち出しました。
カポッ
大きなスプーンでシュークリームの少し小さな山になっている所を ひとさじ すくいました。
くまのくーさんは、持ってきたビンのふたを開けて、シュークリームがのったスプーンをこぼれないように そーっと、そーっと入れようとします。
シュークリームは、スプーンからトロッとすべり ビンの中に落ちて トペッと広がりました。
「もうひとすくいっと・・・」
くまのくーさんは、もう一度スプーンで すくいました。
カポッ
トロッ
トペッ
シュークリームは、またビンの中へ落ちていきました。
くまのくーさんは、持ってきたビンが いっぱいになるまで繰り返しました。
「さて、もういいかな。」
くまのくーさんは、シュークリームがたっぷりとつまったビンを見て、口の端をにーっと広げ満足げに微笑むと、手早く片付けて また気球に乗り込みました。
次から 次へと
「ぐ~~~」 何の音?
ところが、気球がゆっくりと降り始めた時 くまのくーさんは気が付きました。
バスケットの隅の方で、黒い小さな塊がカタカタと震えています。
近づいて見てみると、ツバメの赤ちゃんでした。
「まあ、どうして こんな所にいるんだい?」
くまのくーさんは たずねました。
ぐ~~~
子ツバメが返事をするより先に、子ツバメのお腹が鳴りました。
「お腹が空いているのかい?」
くまのくーさんが聞きました。
子ツバメは小さく コクッと頷きました。
くまのくーさんは、とってきたばかりの シュークリームを少しすくって子ツバメに食べさせました。
子ツバメは、初め少し申し訳なさそうな顔をして こちらを見ていましたが、一口食べると夢中で食べ始めました。
「よほどお腹が空いていたんだね。
まだまだあるから沢山お食べ。」
森の賢者
しばらく降りていくと、今度は ふくろうが やってきました。
ふくろうは スイーッと飛んできてバスケットのヘリに トンと とまりました。
「やあ、気球か、めずらしいな。ここで何をしているんだ?」
と、ふくろうは大きな目をギョロギョロさせながら、気球の中をジロジロと覗き込んできます。
「ああ、ふくろうか。これが気球とよく知っているな」
と、くまのくーさんは ぶっきらぼうに答えました。
「俺は ”森の賢者” と呼ばれるほどに賢い鳥だからな。おまえは、ここで何をしてる?」
ふくろうは、また聞きました。
「ああ、今夜はいいシュークリームが出ていたんでな、すくいに行ってきたのさ。」
くまのくーさんは答えました。
「それは いいね。俺にも味見させてくれないか。
まだまだ沢山残っているようだしね」
ふくろうは、ビンを横目で見ながら言いました。
くまのくーさんは、ふくろうの事をあまり好きになれませんでしたが、味見くらいならと少し分けてあげることにしました。
「これは うまいなー! こんなに うまいシュークリームは食べた事がないよ!」
と、大きな目をさらに大きくして言いました。
そして「もう少し、もう少し」と とうてい味見の量ではない量を食べ、「ありがとなー。ホー。」と言って、あっと言う間に飛び去って行きました。
くまのくーさんは、 やっぱり ふくろうの事が あんまり好きになれないと思いました。
子ツバメとふくろうに たっぷり食べられたシュークリームは、半分くらいに減ってしまいました。
月の うさぎ
気球は、ゆっくりと降りていきます。
大きく見えていたシュークリームは、ずいぶんと小さくなって見えました。
すると、どこからか シクシクと泣き声が聞こえてきました。
「やだもん、やだもん。もうお餅なんか食べたくないもん。」
「あなたは月のうさぎなんだから、お餅を食べるのが当たり前です。
好き嫌いは許しませんよ」
どうやら、月に住むうさぎの、親子喧嘩のようです。
「いつも いつも お餅ばっかり。もうやだ、やだ、やだもん。」
子うさぎは、泣いています。
「あの・・・」
くまのくーさんが、おそるおそる声をかけました。
「良ければ このシュークリームをどうぞ。
さっき すくったばかりなので新鮮ですよ」
うさぎの親子は、突然声をかけられて驚きました。
「まあ、どうもご親切にありがとう。」
お母さんうさぎは、ペコリと頭を下げました。
さっきまで泣いていた子うさぎは、目をキラキラさせながら こちらを見ています。
お母さんうさぎのエプロンをぎゅっと握ったまま、お母さんうさぎと そっくりに ペコリと頭を下げました。
パクパク パクパク
「お母さん おいしいね、おいしいね」
と言って、子うさぎはお腹いっぱい食べました。
お母さんうさぎは、申し訳なさそうにもう一度ペコリと頭を下げて言いました。
「どうも ありがとうございました。もし良かったら、お礼に月でついた つきたてお餅を持って帰って下さい。」
くまのくーさんは、おいしそうなお餅を沢山もらいました。
シュークリームはずいぶんと減ってしましたが、くまのくーさんは自分が食べる分があれば満足だったので、あまり気にせず、降りていきました。
にー、にー、にー
だんだんと家の屋根が見えてきて、くまのくーさんの庭も分かるようになってきました。
「そろそろだな。」
くまのくーさんが降りる準備をし始めた時です。
にー、にー、にー
どこからか、鳴き声が聞こえました。
目をこらして周りを見まわして見ると、木のてっぺんに子猫が しがみついていました。
どうやら上まで登ったはいいものの、怖くて降りられなくなってしまったようです。
「にー、にー、怖いよ。にー、にー、助けて。」
くまのくーさんは、ため息をひとつついてから気球を木に寄せて、子猫をバスケットに助け入れました。
「大丈夫かい? もうすぐ下に着くからね」
くまのくーさんは、子猫に優しく声をかけました。
「あ、あ、ありがとう」
子猫は、安心したのと怖かったのとで、声がまだ震えていました。
ポフッ
くまのくーさんの庭に到着です。
庭には、助けた子猫の鳴き声を聞きつけた お母さん猫が待っていました。
「この子を助けてくれて ありがとうございます」
お母さん猫は、子猫を ぎゅっと抱きしめました。
「今日は初めての木登りの日だったの。
楽しくて つい 遊び過ぎてしまったみたい。」
お母さん猫は、「助けてくれたお礼に どうぞ」と、たっぷりのミルクをくれました。
優しい味
月が明るく庭を照らします。
子猫が登った大きな木が、庭に細長い影を落とします。
足元の草が そよそよと揺れています。
「心地良い風が吹いてきたな。 ここで味わうとしよう。」
くまのくーさんは、庭にテーブルを出し 洗いたてのテーブルクロスをかけました。
座り心地の良いソファと弾力のあるクッションを2つ用意して、テーブルの上には小さなランプを置きます。
お母さん猫からもらったミルクに たっぷりと はちみつを入れて ホットミルクにします。
ふんわりと湯気が立ち上り、猫の形となって消えていきました。
月のうさぎからもらったお餅は、3段重ねにし てっぺんにシュークリームを乗せました。
お餅の上から トロッと流れ落ちるカスタードクリームがたまりません。
グ~~~
くまのくーさんのお腹が鳴りました。
「なんだか せわしない夜だったな。」
くまのくーさんはそうつぶやくと、口いっぱいにシュークリームをほおばりました。
おしまい
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